2007.7.27
ナレーションとアフレコな日。
タクシーの中で、やむを得ず仕事の電話をすることがある。本当は飲食も電話も、「他人と密室にいる」という環境のタクシーの中では、なるべくしないようにしているのだけれど…。
「…はい、○○○のドラマCDですね…はい、台本は明日、わかりました」
そんなやり取りを事務所のデスクさんとしていたようにおもう。電話を切ったわたしに、その運転手さんは遠慮がちに話し掛けてきた。
「あの、○○○という作品、わたし1話からずっと拝見しています…」
ええっ、ほんとですか!?携帯を落とす勢いで驚くわたしに、その運転手さんはミラー越しに照れ臭そうに笑った。聞けば、仕事柄、帰宅するのは深夜が多く、見るともなしに見るうちに、夜中にもいろいろなアニメをやっていることに気付いたらしい。
その人は、本当にたくさんの作品を知っていた。思いきって聞いてみると、アリアもホリックも全部見ていた。出演されている方ですか、と聞かれたので素直に頷くと、ああそうでしたか、とまた穏やかに笑った。なんというか、その普通の反応が嬉しかった。
彼にとっては、アニメ作品がまずありきで、
誰が声をあてていようが、関係ないようにみえたから。
もちろん、声優として個人を認識してもらい、声を覚えてもらえるのは、すごく嬉しい。出演するからという理由で視聴してもらえるなんて、涙がでるくらいありがたい。でも、そういうアプローチとはまた違う方向で作品を受け止めている人と話すのは、なかなか興味深かった。なんていうんだろう、対等な目線、というか、フラットに見ている感じ、というか。『一視聴者』と会話している、その感覚がわたしを興奮させた。
思いがけないタイミングで会話が楽しめて、とても新鮮な気持ち♪本当は少し声帯を休ませたかったのだけれど、そんなこと、少しも気にならなかった。
また、あのタクシーに乗ることがあるといいな。
今日読んだ本。
恩田陸「木漏れ日を泳ぐ魚」