2007.3.27
ナレーションな日。
「奇跡が起きたんですよ、わたしに」
そのタクシーの運転手さんは、はにかみながら話始めた。わたしはびっくりした。そろそろ50に手が届く位の、どちらかというとコワモテなその人の口から、『奇跡』なんて言葉が飛び出すなんて!ふいをつかれたわたしは、思わず身を乗り出して聞いてしまった。
「どんな奇跡ですか?」
質問というのは、その質問自体が「品よく」なるまで待たなくてはいけないときがある。そのひとのプライベートに関することや、心に深く踏み込む可能性のあるものなら尚更だ。タイミングが難しい。だから、いくら思わせぶりだとしても、その人から話始めないかぎり、こちらからは立ち入らない。それはわたしの基本的なルールだ。初対面なら尚更のこと。でもこのときは違った。その運転手さんの幸せオーラが、ありありと見えるようだったからだ。
きくところによると、結婚してまだ3カ月の新婚ほやほやで、奥様は23歳、プロポーズは彼女からで、最近子供ができたという。バツイチの彼のほうが、奥様のお父さんより年上だそうだからすごい。まるでドラマみたい。思わずそうつぶやいてしまった。
「最近ちょっと太ってきちゃったんですけどね…」
といいながら、携帯の待受画面をわたしに見せてくれた。そこには太っているどころか、モーニング娘。の新メンバーといわれても信じてしまえるほどの、小顔でキュートな女の子がピースサインをしていた。
これからランチを食べに、一度家に帰るんです。妻が昼も食事作って待ってるんで。いやあ、こんなおじさんでも、まだまだいいことってあるんですねえ。
そういって彼は、丁寧にお釣りを返してくれた。わたしは、お釣り以上のものを手渡された気がして、なんだかくすぐったかった。奥様によろしく、思わずそう口をついてでたのは、彼の携帯をとじる横顔が、とろけそうな笑顔だったから…かもしれない♪
最近、人生の悲喜こもごもが、やけにリアルに形となって周りで展開し続けている。いろいろな人の節目に立ち会っているような、不思議な感じ。そういえば、去年、占星術が得意なスタッフさんの占いで、この春に大きな転機があるっていわれてたっけ…あれれ、人にばかり気を取られていると、自分のことを見逃してしまうかも…!?(¨;)