2006.11.8
ラジオとアフレコな日。
「すみません、お金大きいのしかないんですけど、大丈夫ですか?」
タクシーに乗ってから、細かいお金がないことに気付くと、いつも先にこう聞くことにしている。
はじめの頃は、タクシーの運転手さんはプロだしビジネスなんだから、どんなお客さんにも対応できるよう、ある程度のお釣りは常に準備しているもの、と思っていた。でも、お札で払おうとすると露骨にいやな顔をされたり、車をとめてコンビニでお昼の買い物をしてくるのを待たされたりしたことが続いた。(タクシーを使う場合は急いでいることが多いのに!)
そりゃあ、たまたま小銭が切れることはある。でも、小銭用意してから乗ってよねー、と舌打ちされたときは、ア然としてしまった。
それからは、できるだけ細かいお金で払うよう気をつけて、それが無理なときは、まずお釣りは大丈夫か早めに聞くクセがついた。もう嫌な思いはしたくなかったからだ。
今日乗ったタクシーで、おなじように質問した。すると、運転手さんは渋い顔で黙り込んだ。ああ小銭なかったかな。申し訳ないな…でも急いでるしな…。
しかし彼は、コンビニによることも、わざとらしいため息をつくこともなく、指定した場所に車を停めると、振り返ってこういった。
「お支払いは結構です。小銭を用意していなかったのはこちらのミスですので。今後気をつけます。申し訳ありません。」
わたしは、ポカンと口をあけた。それから、じわっと感動してしまった。彼のその言葉こそ、わたしがプロたるものと信じていた姿勢そのものだったから。
もちろん、はいそうですかと受けるわけにもいかず、しばらく押し問答が続いたが、その運転手さんは、あるだけの小銭すらガンとして受け取らなかった。そして最後は、エコーカードにわたしが褒め言葉を書いて出しておく、という交渉でやっと落ち着いた。
すみませんすみませんと、お互い何度も頭を下げてタクシーを降りながら、わたしはその運転手さんの名前をしっかり頭に刻み付けた。こういう心意気で仕事をしている人もちゃんといる。そのことがわかって、本当にうれしかった。
大変よくしていただきました。素晴らしい運転手さんです。すぐにエコーカードに書き込んだのは、いうまでもない♪