2006.9.1

 ゲーム収録な日。

 加藤健一事務所の「詩人の恋」を観にいく。地下鉄の通路に貼ってあったポスターを見てから、ずっと気になっていた舞台。ダメもとで電話をかけてみたら、あっさりとチケットが取れてしまったのだ。ラッキー♪

 

 本多劇場は久しぶりだ。佐藤順一監督や涼さんたちと、ラーメンズのライブにきたとき以来だ。下北沢の街をひとりでブラブラしていると、すぐに時間がたってしまう。人懐っこくて、ごちゃごちゃしてて、独自の世界に対するパワーがものすごく濃い場所。ぼーっとしていると、のまれそうになる。

 わたしの席は、L列の6番だった。後ろのほうではあるが、じゅうぶん役者の表情が見える位置だ。真ん中のブロックや前の方の席は埋まっていたものの、当日券で入った私のまわりはほとんど人がおらず、まるで平日の映画館のようにリラックスして楽しむことができた。観劇のときに、後ろや隣の席のひとのマナーが気になることほど、いやなものはない。

 

 ステージは、想像していた以上にすばらしかった。いい意味でスキのない、上質な空間。ミュージカルではないけれど、歌とピアノ曲にみちあふれ、歯切れのよい台詞がテンポよく飛び交う。カトケンさんの芝居も懐かしかったが、畠中さんのストレートプレイ、しかもああいうクセのある役を観るのは新鮮で、ぐいぐいひきつけられた。夢中になっていた。

 シューマンの調べ。
 クリムトの抱擁。
 時を刻まなくなった古時計。
 煮詰まったコーヒーと忌まわしい記憶。
 そして、あの哀しみの余韻と、生きる礎となる一筋の希望。

 

 ラスト、教授の呟く「グーットゥ…」に涙が溢れた。

 極上のひとときをすごせた夜だった。