2006.7.1
京都の朝。
せっかく京都にきたというのに、相変わらずの不眠症っぷりを発揮するわたし。ほとんど眠れないまま、朝日を浴びてしまった。午後にはガクッと疲れがくるはずだから、とにかく無理しないで、のんびり過ごそうっと♪
ホテルでまっとうな(?)京和定食をたっぷりいただいて、まずは「出町ふたばの豆餅」を目指す。何年か前の、一保堂・嘉木での衝撃的な出会いから忘れられず、次は敬意を表するべく、ちゃんと本店に買いに行こうと決めていたのだ。
ザーザー降りの雨を覚悟していたけれど、穏やかなお天気で、感謝♪薄曇りの空が白く光っていて、暑くもなく、寒くもない。この時期の京都にしては、驚くほどすごしやすい。いつもの二日乗車券を購入し、バス停に並んでいると、東京の友人から、今朝子供が産まれたというメールが届いた。ささやかな休日のはじまりを、なにより嬉しいニュースが彩ってくれた。おめでとう、とメールを打ちながら、気持ちがまた一段、明るく晴れる。
出町柳の河原には、一面シロツメクサが咲き乱れ、花のあいだを蜜蜂がせわしなく飛び交っていた。…ハチミツとクローバーじゃん!と一人静かに興奮したのは内緒…(^^ゞ遠くには葦の穂が揺れ、橋の下から、アルトサックスの音がかすかに響いてくる。
いいなあ、金管や木管楽器は。弦楽器は、湿気や日光など外気に弱いため、こんな風に外で練習することはできない。そのうち、ジャズの練習に飽きたのか、そのサックス奏者は、ひかえめに、井上陽水の「少年時代」を吹きはじめた。思わずクスリと笑った。その気持ち、わかる。わたしも、音階練習に飽きると、好きなミュージカルナンバーを、音をさぐりながら弾いては、気分転換して楽しんでいたっけ…。
午前中にもかかわらず、出町ふたばには、既に長蛇の列ができていた。しかも、ほとんどが地元の方のよう。まとめ買いしていくひとが多いなか、わたしは「大福ひとつ」といえなかった。…結局、豆もち2個と七夕だんごを2本買って、河原のベンチに腰をおろした。

あたたかい風が、羽のように軽やかにやわらかく、首筋や二の腕をなでていく。眠ってしまいそうな心地よさだ。そんな中、久しぶりに口にした豆もちは、やっぱりびっくりするほど美味だった。思わず唸ってしまうほど!餅のやわらかさも、あんこの量も甘さも、赤えんどう豆のほどよい塩加減も、なに もかも素晴らしい。2個は重いかも、なんて心配は杞憂に終わる。至福のひととき♪

腹ごなしもかねて、出町柳から大徳寺まで、テクテク歩く。時間にもスケジュールにも縛られず、ほかの誰にも気を使うこともない旅は、本当に楽だ。
大仙院には今回あえて立ち寄らず、龍源院と瑞峰院へ。特に、瑞峰院の枯山水は、わたしをゆうに1時間以上引き付けて、離さなかった。ポツポツと観光客がきたが、そのうち気にならなくなり、やがて、長い長いひとりきりの静寂が訪れた。

ときどき、静かに雨が降った。降ってはやみ、やんでは降った。雨は、受ける場所によって音をかえる。いつも東京で聞いている音と、違う響き。違う調べ。空は白く明るく、サラサラと空気をかすかに揺らし、どこまでもひそやかに降り注ぐ。その白い雨を、ともにこの身に受けたいとさえ思った。何と「ともに」なのか、よくわからなかったけれど。
お抹茶もいただいた。熱く濃くて、とてもおいしかった。ただ、ご住職自ら作られたという大徳寺納豆は、泣きそうになりながら飲み下した。やはりわたしは、大徳寺納豆は苦手なようだ…f^_^;
バスで京都御所あたりまで行き、寺町通りをひやかしながら、一保堂へ。嘉木目当てだったのに、残念ながら仮店舗営業中で、あの絶品のお茶を、信じられないくらい安く飲ませてくれる嘉木には、今回もまた行けず!確か前回は、時間が遅くて閉まっていたんだっけ。いまの時期だったら、お茶うけに水無月がでるかな?と期待していただけに、ちょっとがっかり。
気を取り直して、京都御所を散策し、白峯神宮に立ち寄る。ここは球技の神様がいるらしい。蹴鞠の碑というものがあり、そこについている撫で鞠を願い事をしながらぐるりと一周まわすと、上達するんだとか。境内には、地元のサッカーチームはもちろん、ありとあらゆる有名選手のサインが飾ってあった。絵馬には、先日のW杯の応援も、びっくりするくらいたくさんあった。

「姉さん六角蛸錦…」
ときどき口ずさみながら、通りを下る。俵屋遊形ギャラリーでお気に入りの石鹸を買い、烏丸三条に立ち並ぶモダン着物や和小物のお店にふらふら引き寄せられつつ、イノダコーヒー三条店で、ホッとひと息。本店にもいってみたけれど、ここはいつもいっぱい。まあ週末だし、仕方ないかな。禁煙席があいておらず、喫煙席に通される。でもそれがよかった。
中央に作業台があり、それをぐるりと取り囲む形で席がある。コーヒーをおとす様子が間近で見られて面白いのだ。ハイジにでてくるミルクピッチャーのような大きな容器に、紙のフィルターではなく、使い込まれた布がかけてある。そして、杓で鉄釜からお茶碗に汲むように、おたまで丁寧に湯を注いでいく。そのひとつひとつの作業が、豪快にしてとても丁寧で、ひとたま湯を注ぐごとに、コーヒーの香りや色を確かめる、その真剣な様子がとても素敵だった。年配のその店員さんは、コーヒーを大切に、愛おしんでいるようだった。そして、どこか誇らしげでもあった。老舗の良さを、またひとつ、垣間見れた気がした。
夕飯は、先斗町ちかくの「おめん」。ハモのおとしやら加茂なすの田楽がついたセットに、迷わずビールを追加♪このときばかりは、連れが欲しくなるなあ〜(^^ゞそして、まるでピラミッドのような豪快な薬味にひと安心。いつだったか、デパートの京都展で食べたおめんは、なんちゃって薬味だったもの。やっぱり、こうでなくっちゃね!充分すった白ゴマを、これでもかとぶっかけて、ざくざく食べる。ああきてよかった〜♪
写真は、八坂さんの茅の輪。今年はくぐれないかとおもっていたら、ぎりぎりセーフでラッキーでした。

そういえば、茅の輪って言葉を初めて知ったのは、「朝霧の巫女」だったっけ…♪