2005.9.27
ある店内アナウンスナレーションの収録と、音声合成の仕事の日。
仕事に行く途中、ある神社の前を通り掛かった。そこは人気の少ない裏通りで、初秋の風に、ただただ木々がやわらかくざわめいていた。
ふとなかをのぞくと、一人の初老の男性が立っていた。彼は背筋をピンとのばし、まっすぐに本堂を向いている。そして、ゆっくり深々と、奥に向かって頭を下げた。誰もいない静かな秋の境内で、それはまるで絵のようだった。
その背中がとてもすがすがしくて、神聖で、思わず足をとめた。息もとめた。世界が一瞬、とまった気がした。