2005.9.7

 虹をみた!

 

 それはそれは見事な虹をみた。一瞬の、はかない夢のような虹。でもなにかのご褒美みたいな、まぶしい虹。

 窓をたたく雨粒の勢いがふと弱まり、強い日差しが雲の切れ間からサアッ…と射した瞬間。乗っていたタクシーの、フロントガラス真正面の空いっぱいに、まるで水彩画のような七色のひと刷毛が、まぼろしのごとく広がった。

 たちまち気持ちが華やいで、思わず笑みがこぼれる。運転手さんとの会話も、急に弾んだあたたかいものになった。

 「今日はきっと、いいことがありますね、おたがいに!」

 

 カメラにおさめられるかと携帯を取り出し、ふたたび顔を上げたときには、もうすでに4分の1ほどを残すのみになっていた。ほんの一瞬ではあったけれど、こころをふっくら彩ってくれた、やさしい空のかけ橋だった。