2004.11.26

 夜遅くに帰宅すると、DMにまじって、一通の手紙が届いていた。

 

 それは、先日私が京都から送ったお土産に対する、御礼のお手紙だった。手触りのよい和紙に、品よく墨で兎や月が描かれた便箋。文面は短くシンプルで、しっかりした美しい文字で綴られ ていた。

 

 彼女はしょっちゅう会って話す、とても身近な友達だ。つい昨日も会ったばかり。親しい仲なのに、あえてメールですむことを、こうしてきちんとお手紙にしてくれたのだ。そのことに驚き、不覚にも感動してしまった。

 

 なんて素敵な人なんだろうとおもった。そうすることが彼女にとって、ごく自然なことだとわかったからだ。

 

 ひそやかに光る月のように慎み深く、芯の強さもしなやかさも持ち合わせている。わたしは彼女から、一通の手紙以上のものを、心にいっぱい受け取った。言葉の一つ一つに慈しみがあふれている。わたしはコートを脱ぐのも忘れて、静かに泣いた。