2004.11.15
「靴に恋して」を観た。
シアター・イメージフォーラムにて。母校の近くにこんな映画館ができたなんて、知らなかった。小さいけれど、ステキな場所だ。
いくつになっても恋をするのはすばらしいし、いくつになっても恋に破れるのはつらい。みんな不器用で、孤独で、愛を求めてる。わたしは、こういう淡々と流れていくヒューマンドラマが好きだ。見終わったあと、じんわりと心があたたかくなる、そんな映画だった。
映画を見る前に、まだ少し時間があったので、目の前にあったスターバックスでタゾチャイティーラテを飲みながら、遠藤周作の「侍」を読んでいた。そのとき、ふとなにかを感じて、ガラス越しの通りに目を向けた。するとそこには、見覚えのある懐かしい友人の背中があった。学生時代には見たことのない背広姿で、でもそれは紛れもなく彼だった。彼は、いまわたしが握っているチケットの映画館の前で、熱心にポスターに見入っている。でもわたしは、店を出て声をかけることも、携帯で電話番号を検索することもせず、ただじっとその後ろ姿を見送っていた。
久しぶりすぎて、話すべき言葉がありすぎるのか、それともみつからなくて途方にくれてるのか、自分でもよくわからなかった。ただ、ただ彼がかわらず元気でいるのがわかって、今ここで急にわかって、うれしかったのだとおもう。
息を潜めて見送ってしまった理由を、自分の心の中に見つけられないまま、小さくため息をついて、わたしはラテを一気に流し込んだ。