2004.7.16
突然、けたたましいブザー音が鳴り響いた。
あしたの仕事のビデオチェックをしていたわたしは、文字通り飛び上がった。慌ててキッチンへ走ると、電子音が何やら喋っている。
「ガスが漏れていませんか。ガスが漏れていませんか。ガスが漏れて…」
どうえええええ〜〜〜〜!!!!ガ、ガス漏れ?!でもでも、ガスなんてここ2日ほど使ってないし、なんの臭いもしないし…。とにかく急いで換気扇を回すが、甲高い警告音は止まらない。ああどうしよう。
とりあえず、東京ガスに電話をかける。すぐに作業員をよこしてくれるそうだ。でもわたしはもうすぐ仕事に出なくちゃいけないし、明日の長尺のチェックだってまだ残ってる。時間ないのに〜。
「少しでもガスが漏れていましたら大変ですし…お客様、〇〇の場所と止め方わかります?」
…わかりません(T_T)大体、相手がいった〇〇がなんのことかすらわからない。仕方ない。急いでもらおう。
普通だったら家をでる時間に、ようやくふたりの作業員の方が到着。ガスのチェックをしてもらうが、コンロまわりはもちろん、排水口からもどこからも反応はない。しばらく腕組みして考え込んでいたおじさんも、結局は、2006年まで有効だったはずの警報器の故障だろうという結論に、やっとたどりついた。
「とりあえず、別の警報器につけかえて試してみますか」
じゃあちょっと取りに行ってきます、と若い方が外にいって、待つこと数分。その間のながいことながいこと。おじさんも聞くことは聞いてしまって手持ち無沙汰なのか、狭いキッチンを何度となく眺め回す。人がはいるとおもっていなかったので、その度にヒヤヒヤする。ああ見ないで頼むから。そしてお願い、はやくして〜。
やっと代わりを持って外から戻ったきたとおもったら、その若い作業員さんはおじさんに向かっていった。
「〇〇さんすみません、くるまの鍵もってますかあ?」
おーーいっ!
たのみます、まじで。もうほんとに時間がない。ジリジリしながら再び彼が戻るのを待ち、今後の対応やら連絡先やらをはいはいとかなり上の空で書き留めて、もうほんとに仕事にいかないとまずいのでと、半泣き状態でふたりを送り出した。
それからは、まるでビデオの早送りのごとく行動。一時停止状態だったビデオを手早く解除し、巻き戻してカバンにつっこみ、歯磨きを高速でおえて、玄関を飛び出した。いまから電車じゃ絶対無理。タクシーならなんとか間に合うかも。先に事務所に電話して、ガスの事故がありましたとでもいおうか。あ、そのまえに近くの東京ガスに改めて検査の予約をしなきゃいけないんだっけ。いや、もうそんな時間すらおしいんだった。
いろんなことをいっぺんに考えながら、タクシーをひろうべく、広い通りへと猛ダッシュしたのだった…。