2004.3.12

 ナレーション2本とアフレコの日。

 NAは、ひとつはしんきんカードの電話案内、そしてもうひとつは、104のオペレーター研修ビデオだった。

 

 ナレーションはたのしい!

 さあこの作品をどう彩ってやろうかと、心底わくわくする。

 わたしはナレーション畑で育ったせいか、ひとりでブースに入り、画面を前にナレーション原稿に向かっていると、古巣に戻ったかのような、なんともリラックスした気持ちになる。

 

 ナレーションブースは、まるでひとときの、わたしのお城のよう。そして同時に、原点に立ち戻らせてくれる場所。

 アフレコとも、ラジオともちがう。圧倒的な安心感の中で、ゆっくりと自分のペースで集中力を高めていく、その快感。

 テストの時点で、原稿をよみながら、ディレクターのキューのタイミングや、カットがわりのタイムを素早くメモし、テロップ合わせの位置を確認して、音効さんのつけた曲やSEに、自分の読みをすりよせたり、ひきよせたりしていく。

 ミキサーさんとディレクターさんとの、あえて言葉にしない三角連携プレーが繰り広げられるときなんて、その爽快感に思わずため息がでてしまうほどだ。

 もちろん、いつどの現場でも、そういった感覚が得られるとは限らない。でもクライアントさんたちから、「おかげですばらしいビデオになりました。ありがとう」なんていわれたら、どんなに長い収録だろうが、何度原稿の直しがはいろうが、すべてが素晴らしい充実感につながる。

 その笑顔をみるたび、生きててよかったと思うのだ。

 

 声優とひと口にいっても、びっくりするくらい仕事の幅も種類も多い。得られる充実感も、感動もさまざまだ。でもそのなかで、もしナレーションがなくなったら、わたしの人生の楽しみが半分になるだろう。そんな気さえしてくる。

 

 ああでもきっと、それは全部おなじ。芝居も、ラジオも、ナレーションも、すべてがお互いの分野を高めていく、大切なファクター。

 わたしは、この仕事が、本当に好きだ。