2003.10.29

 山梨から、ぶどうが届いた。

 皮ごと食べる、芳潤なかおりの見事なぶどう。

 以前、劇団昴の音楽部で一緒に演奏していた、トランペット奏者からだった。

 みれば、彼の名前の前に「園主」とある。そうか、ぶどう園をついだんだ。いまや立派な主なんだ。

 ぶどうは大きな房が4種類入っていた。どれもひと粒ひと粒が大きくて、宝石みたいにツヤツヤしている。

 すごい。こんなきれいでおいしいものを、彼はゼロから育ててるんだ。長い時間をかけて。心をこめて。彼の眼鏡の奥の、人の良さそうなあったかい瞳を思い出す。

 3年近く会ってない友人からの、突然の美味しい便りに、胸が熱くなった。

 そういえば、合奏練習のあと、そのひとが作ったフレッシュなワインをふるまってもらったこともあったっけ。
 とびきり甘い粒をほおばりながら、今夜彼に電話をかけてみようと、心にきめた。