2003.9.30

 きんもくせいの香りに、よびとめられる。

 ふいにかおる、懐かしく甘やかな香りに、胸がちいさくしめつけられる。

 この季節が、好き。
 お正月よりも、クリスマスよりももっと、ああ一年が経ったんだと、めぐる季節に思いをはせるきっかけをくれる、きんもくせい。

 たとえば街で、すれちがいざまに香る、昔好きだった人の香水に、胸がざわつくような。切ないような。そんな気持ち。

 花はなんでも好きだけど、あえて選べといわれたらなんだろうと考えてみた。

 空のしたで愛でるなら、桜や藤の花。

 部屋で楽しむなら、百合や薔薇やカラー、ガーベラ。そして香りに胸ときめくのは、じんちょうげやきんもくせい。

 わたしの愛する花たち。